疲れは本当に疲れなのか
ほとんど誰もが信じている考え、つまり睡眠は休息と回復の時間なのだ、という信仰がなぜ生じたかというと、おそらく夜遅く寝る前にフランスベッドでみな経験する疲労感のせいでしょう。
使われる言語のせいで、別の考え方ができなくなってしまいます。
「疲れた」ということばを使って、激しい身体作業のあとの気持も、昼間のんびり過ごしたあと深夜に感じる気分も、ともに表現します。
はじめの場合の疲労は仕事の結果でありますが、つぎの場合の疲労はそうではなくて、身体的または精神的に努力しようがしまいが、夜半いつも感じる疲れです。
ところが、どちらの疲労感もたいへんよく似ていますから、両者の原因は身体と精神の消耗だ、という主観的な憶測を避けられません。
けれども、脳がもう活動をやめさせようという決定を下したのが疲労感なのだと考えたら、この問題に違った受け取り方ができましょう。