手間隙掛けたナシ3
例えばぼくの長野暮らしでの体験では、ペンタキープをつかったバートレットでは十日から半月くらい、ラ・フランスやコンフェレンスは二十日からひと月くらいといった具合である。
これには、所(その土地)、置き場所、その年の天候なども複雑にからむ。
追熟させる場所は、気温は低めで、温度変化も少ない方がよい。
その期間中は、とにかく果実をやたらと動かして果皮を傷めないよう、気をつけてやる。
気が散らないようにそっとしておいてやる、といった方が分かりやすいかしらん。
熟れておいしくなる、追熟期間後半の外見上の変化を、バートレットを例にして、さらに共体的に説明しょう。
まず果皮色が変わってくる。
収穫時の緑色が徐々に薄れて、代って次第に黄ばんでくる。
おや、いい色が出てきたなと思っていると、次は香気がだんだん強くなってくる。
言葉を持たぬ果実が、色と香りで熟度を知らせているのである。