"戦国の世"を生きる 2
「お前が、苦労知らずで、要領が悪かったから・・・」
紹介状の宛て先の人は親父の親しい友達といえるほどのつきあいのある人たちではなかったようです。
それは父が伝手を求めて、地方でやっと得た息子のための頼りであったのです。
でも、お前は幸いにノイローゼにもならず、親にもこの人たちにも、仕事のことで心配かけずここまできた・・・。
「あいつはきっと一生懸命仕事をしてるよ。お上手も満足にいえない奴が、まずまずやっているんだから」
親父はいつもそう言っていたそうです。
母は手元にたくさん年賀状の束を出してきました。
父が死んでから、今度は母が欠かさず、もう20年以上、この人たちに息子の近況を書いた賀状を出してきました。
年賀状はその返事です。