鉄ラブ?
焼け跡の釘拾いにかり出された私の体験も、鉄の供出のためのものだった。
青黒く光る銃には菊の紋章が打刻してあり、そのために兵は生命を棄てた。
それを今さら、鉄鋼不況だ、鉄を愛して下さいとは、そりゃ聞こえませぬ、という気持ちが私たち以上の世代にあるのも事実だ。
だが、だからこそ心中ひそかに鉄に憧れ、恋慕の情に似たものを秘めていることもまた事実だろう。
私が大工道具、とくに鋸や鉋や鑿などの鍛冶の作に、いささか思い入れしているのも、心の底にこうした感情のあるためだろうと思う。
鉄はいま再び人々の心に、懐に帰らなければならない。
そのための方策いかん、というのが、いま問われていることの本質でもあるように思う。
道具としても、工業製品としても鉄はいろんなところで活躍していますが、実用面でなく、生活の中の彩りとして、ロートアイアンというものがあります。